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● 日本における実践例 ●・・・・・日本における第1回の試み

遺伝子治療を考える市民の会議

会議開催の手続き

〜CONTENTS〜
遺伝子治療を考える市民の会議・報告
「市民の会議」を開いた目的
「遺伝子治療」をテーマに選んだ理由
会議のスケジュール

「遺伝子治療を考える市民の会議・報告」

コンセンサス会議の試み:「遺伝子治療を考える市民の会議」:この試みを主催した「科学技術への市民参加」研究会は、広い意味で、科学技術と社会の関わりに興味・関心をもつ研究者のグループである。

 「科学技術への市民参加」研究会は、1997年初夏からの準備期間をもち、1998年1月から3月にかけて、日本における最初の実験的な「コンセンサス会議」=「遺伝子治療を考える市民の会議」を開催した(この会議開催のための資金は、トヨタ財団と日産科学振興財団の研究助成によった)。 その成果は、98年3月に開催されたSTS(科学技術と社会)国際会議において、公開シンポジウム(3月21日、けいはんなプラザ)を開いて発表した(この試みの詳細については、科学技術への市民参加」研究会:『「遺伝子治療を考える市民の会議」(コンセンサス会議の試験的実施)報告書』(1998年8月)を参照)。

「市民の会議」を開いた目的

市民あるいは住民が政策策定・決定・遂行に意見を言う、あるいは、影響を及ぼすべきである、またはそうしたい、という動きがさまざまに出てきている。 そして、その中には科学技術に関係する問題がいろいろとある。 新潟県巻町での原発をめぐる住民投票はその典型的な例である。 これ以外にも、産業廃棄物処理場、河口堰、干拓事業など、住民・市民参加が求められている。 また、市民参加が中心にあるわけではないが、政府が政策を決める際に専門家を呼び込む(あるいは専門家のお墨付きを得る)審議会方式にも見直しが迫られている。 審議会の情報公開が進みつつあるのはその一つである。

 さらに、テクノロジー・アセスメントのような事前評価だけでなく、製造物責任(PL)法や容器リサイクル法、家電リサイクル法などに見られるように、社会の中の科学技術を評価する必要性はほとんどの人が認めるであろう。

 そうは言っても、専門知識を持ち合わせない一般市民にとって、科学技術について自分の問題として考えることは簡単ではない。 しかし、ここに、デンマークに生まれた方式ではあるが、コンセンサス会議という一つの手本がある。 そして、この方式を試す動きはヨーロッパ、アメリカなどに広がりつつある。 そこで、この方式にならうことができるかどうか試してみよう、というのが、このプロジェクトの目的である。

「遺伝子治療」をテーマに選んだ理由

さて、今回の試みのテーマとして私たちは遺伝子治療を選んだが、その理由は何だったか。 デンマークのモデルでは、コンセンサス会議のテーマ(あるいは課題)は次のようなものとしている。

  1. 今、社会で話題となっている
  2. あまり抽象的でなく、問題の範囲を決めることができる
  3. 対立を含んでいる
  4. それについての態度・目標を明確にすることが求められている
  5. この明確化のために専門家の寄与が必要である
  6. それについての知識・専門知識が得られる。

 この基準に当てはまるものはいろいろとあるだろう。実際、遺伝子操作食品なども候補として考えた。しかし結局今回のテーマに落ち着いたのであるが、そこには次のような考慮があった。

 まず、第一に専門家の協力が得られることである。 しかも、まったくのボランティアとしてである(私たちが支払ったのは旅費・宿泊費プラスアルファ程度である)。 私たちには、専門家を説得するのに十分な権威あるいは正当性をもっていなかったし、また、十分な資金もなかった。 したがって、専門家の側に、この会議に参加する何らかの具体的なメリットあるいは動機が必要であった。 これに対して、遺伝子治療は臨床実験に向けて動いているところであり、積極的に社会の理解を得たいと考える研究者がある程度いるだろうと推測できたのである。

 今一つ、まだ対立があまりはっきりしておらず、激しい論争状態になっていないことである。 これは、第一の点とも関連するが、専門家の協力を得る点だけでなく、私たちのコントロールが効かない、あるいは、会議運営に混乱をもたらすことを恐れたのである。 市民パネル、専門家パネルは集まってくれたか?:

 私たちは、こうした試みにボランティアとして参加してくれる市民、専門家がいるかどうかがもっとも心配であったが、それは杞憂であった。9人の専門家、そして、19人の市民が活発に参加し、予定した会議スケジュールをこなしてくれた。その結果、意見文書(コンセンサス)が作られ、3月21日の公開シンポジウムで、私たちの試みの成果を発表することができた。

会議のスケジュールは次の通りであった。
98年1月24日、2月21日:専門家の説明を聞き、質問をした。
98年3月7日:市民パネルは遺伝子治療について考えるべき点を議論し、意見をまとめた(別項、意見文書参照)。
98年3月21日:公開シンポジウム(けいはんな・メインホール)。会議の趣旨と意見文書を発表した。そして、国際会議の参加者を含め会場からの意見・質問が活発に交わされた。
社会的に注目もされた:
私たちは新聞を始めとするメディアに、この試みに注目して貰えるよう働きかけたが、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞が報道した。


同類資料


・・・・・日本における第2回の試み

会議開催の趣旨 :   なぜ、市民の会議か?

 現在、科学技術の発達・進歩は、一般の人々の生活に多大な影響を与えています。科学技術は、われわれの生活に利便性や快適さを与える一方、科学技術の開発や使用の是非、利用方法をめぐる社会的な調整が各種メディアでも論議されることが多くなってきています。

 科学者・技術者といった専門家と政府・産業界を中心に科学技術を進めることについて疑問が投げかけられる機会も多く見られます。一方で、科学技術の発達や方向づけについて一般市民の承認を得るべきだという声も強まっています。他方、科学技術の専門知識を欠く市民に責任ある対応ができるかどうか懸念する声もあります。 例えば、原発、廃棄物処理場の建設、遺伝子治療・診断、遺伝子組み換え作物、脳死・臓器移植など、生活に直接、間接に影響を与える科学技術について、普通の生活者(市民)がどのように関われるのか、また関わればいいのかという問題はごく身近に提起されています。

 その一方で、一般市民が上に挙げたような科学技術について、問題を考え、自らの意思決定をするための場は社会的にほとんど用意されてはいません。したがって、科学技術への市民参加のために、どのような場や方法を組織すればいいのかという問題は、今後の社会にとって大きな課題の一つであると思われます。

 今回開催しようとする市民の会議は、科学技術へ市民が参加するための機会・仕組みを探る研究の一環として企画したものです。

 


同類資料

 






 
 
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